パーキンソン病はパーキンソン症候群の中で最も頻度が多く、代表的な疾患です。
脳の基底核からドパミンが放出されなくなり症状が出現します。
パーキンソン症状とは以下の4つが有名です。
- 強剛(関節が固くなり、他動的に動かすと抵抗を感じます)
- 振戦(手足、首などが細かく震えます。じっとしているときに出てくることが多いです)
- 無動(動作や思考がゆっくりとなります)
- 姿勢保持障害(バランスを崩しやすくなり、転倒をよくするようになります。特に後ろ向きが弱くなります)
その他にも仮面用顔貌(表情が乏しくなる)、嗅覚低下、便秘、うつ、自律神経失調などの症状が出現します。
ドパミン不足が原因ですので、治療としてはドパミンを増やすことが基本となります。
レボドパ(ドパミン製剤)、アゴニスト(脳からドパミンを放出させる)、MAOB阻害薬(脳内でドパミンの代謝を抑制する)、COMT阻害薬(消化管でのドパミン代謝を抑制する)など様々な薬を組み合わせて治療を行っていきます。
またドパミンは喜びや興奮時に放出されますので、運動や趣味なので、「快」を感じることが重要とされています。
薬剤の使い方にはコツがあり、専門医に見られている場合とそうでない場合で、その後の生活の質が変わってきますので、是非とも専門医に相談をしていただきたいと思います。
- レボドパ(いわゆるドパミンのこと。足りない分のドパミンを内服で補います)
- ドパミンアゴニスト(脳内でアゴニストを少しでも放出するように働きかける)
- MAOB(マオビー)阻害薬(脳内でドパミンの分解を抑制する)
- COMT(コムト)阻害薬(消化管内でのレボドパの代謝を抑制する)
- 抗コリン薬(アセチルコリンを阻害する。認知症を起こすことがありうるとされ、使用頻度が減っている)
- シンメトレル(抗インフルエンザ薬だが、パーキンソン病に有効)
- ドプス(すくみ足や低血圧症状に有効)
- ノウリアスト(腰曲や動作緩慢に多少有効)
- トレリーフ(震えに多少有効)
抗認知症薬(パーキンソン病ではアルツハイマー型認知症よりもむしろアセチルコリンが減少しているといわれており、アルツハイマー型認知症に対する薬が効果あるとされている。パーキンソン病には保険適応外であり、使用は慎重にする必要があります)